合格体験記〜第6章〜

国家Ⅰ種といえば、いわゆる官僚クラス。
これに受かれば将来は保証されたようなものだ。
私は所詮、半年ほどしか勉強していない。
こんなレベルの高い試験に受かる余地もない。
だが、受けてみることはいいことだ。
本番のための模試の代わり、あるいは試験会場での雰囲気を感じるという意味で。

実際、会場で気が付いたことがいくつかある。
一次試験は筆記試験だけだ。
一般には、この会場へは私服で構わない。
それでもスーツ姿の受験生はいないわけではない。
こういう受験生は悪いとは言わない。
だが、スーツという堅苦しい格好をするのは基本的に面接試験が課される日だけでよいのだ。
よく「公務員試験の一次試験はスーツの方がいいのですか?」という質問を耳にすることがある。
それも試験の直前期にだ。
ギリギリになって、そんな基本的なことを質問すること自体、恥ずかしいと思ったほうが良い。
どちらがよいかわからなければ、スーツで行けば全く問題はないのだ。
こういう連中は公務員試験というものをよく理解していないようだ。
この試験は資格試験であると同時に就職・採用試験なのだ。
スーツで参加してダメなわけがない。
スーツで参加してダメな場合というのは、主催者側が「クールビズで来い」とか「私服で来い」と通知された場合だけだ。

話が逸れたが、わからなければ早めに情報を仕入れておくか、スーツで参加すればいい。
それだけのことだ。
さて、この国家Ⅰ種の試験だが、試験時間が恐ろしく長い。
午前中の教養試験が三時間、午後からの専門試験が三時間半もある。
難題ばかり揃っているから、これだけの時間が設けられているのだろう。
もっとも私はわからない問題が多すぎて、途中で戦線離脱してきたが。

国家Ⅰ種とⅡ種は翌日に解答速報が人事院ホームページでされるので、早速、やってみた。
結果、教養試験で4割、専門試験で4.5割という悲惨な結果となってしまった。
この程度ではお話にもならず、100%不合格である。
私はこの試験が本命ではなく、また、何かの弾みで受かったところで進路をここにするわけではないので不合格でも全く結構。
しかし、半分も取れなかったことに歯がゆさを感じていた。
伊達にエリートを選抜する試験ではなかったということか…。

5月になり、次は模擬試験の最終回と国立大学法人等職員採用試験が控えていた…。


第7章へ続く〜☆