合格体験記〜第4章〜

2006年に入り、新しい年を迎えた。
さすがに正月は勉強がスローペースになってしまった。
しかし、すぐに気持ちを切り替え、やれることはどんどんやっていった。
試験が全て終わるまでは趣味の麻雀を断つ、そう抱負を立てた。
これまで週末は麻雀で時間を費やすことが多かったので、これを勉強する時間に当てればかなりプラスになるだろうと考えたのだ。
おそらく、1月〜2月あたりが最も勉強の捗った時期ではないだろうか。
会心の日は1日6時間以上は勉強できただろう。
好きな麻雀も断ち、実験も放って、頭の中にはほとんど公務員試験のことしかなかった。

2月の第3回目の模試ではC判定と出た。
確実にワンランクずつ上がってきている。
この調子なら本番までに間に合うか?
上手くいきそうだと感じてきた。
ところが、この公務員試験というものは模試で仮にA判定を取ったところで間違いなく受かるというものではない。
高校入試や大学入試の模試と比べて科目のジャンルは更に幅広いし、点数が悪かった・良かったというのも『運』によるものである可能性があるのだ。
従って信頼性が高いかと言われれば、決してそうではないのだ。
『実力』と『運』の両方を兼ね備えたものが勝つ…はっきり言って、この評価システムの仕組みはよくわからない。
それが公務員試験なのだと感じた。

私が試験勉強を進める中で、他の同級生は就職活動を本格的に行いだしていた。
私の周りには公務員試験を目指す者はおらず、戦友と言える者は側にいなかった。
予備校に通っていたといえど、どうも気の合いそうな生徒はいない
(気が合わないと感じれば、私は自分から進んで仲良くなろうとは思わない性格である)

民間企業…公務員とは対を成す存在であるが、私もいくつか受験してみるべきだろうかと考えた。
このまま順調に試験勉強を進め、本番でいい結果を残せるとは限らない。
失敗したらどうするのか。
それは周りの友人や先生、家族からも言われていることであった。
やはり、あまり気が進まないといえども民間企業についても情報収集を行い、活動を始めることにした。
ただし、活動を行うのは地元の富山に限定すること。
何としてでも私は卒業と同時に実家に帰りたかった。
私が動き始めたのは1月後半からであり、これはやや遅めであると考えられる。


第5章へ続く〜☆